恋慕 れんぼ 연모 The King’s Affection 2021年放送 KBS 2TV月火 全20話
第19話視聴率9.3%
hg@さらんさん |
第19話あらすじ
「タミ…王様がタミなのですか…。」「なぜ…。」フィのその手に握られていた「蓮膳(ヨンソン)」と書かれた紙が。その昔、ジウンから贈られた名前だった。大切に大切にずっと持っていたもの。互いに目に涙をいっぱい溜めたジウンとフィ。もう二人の間にはどんな秘密も存在しない。たとえ名乗りはしなくても2人は再び出会う運命だったから。もう離れないと口づけを交わし抱き合う。
ジウンの本心を知ったソウンは、涙ながらに婚姻を破談にする選択をする。結局、ジウンのせいで破談になったとソクチョはフィの殺害をちらつかせるが、ジウンは逆にタミがフィだということを隠していたこと、これ以上のどんな恐ろしい罪を負っているのかと案じる。そして、秘密を守るためにフィを殺すなら、自分を先に殺さなくてはならないと迫る。
ソクチョはギジェに夜襲を目論むが、背後からの気配に思わず剣を振るう。それはギジェがソクチョに付けた見張り。翌朝、その遺体を屋敷の庭で発見したギジェはソクチョの裏切りを確信する。ウォンサン君の決意を試すためにチャウン君を殺し、キム尚宮とホン尚膳を奪って来るように指示する。果たして、キム尚宮とホン尚膳を捕えたウォンサン君はチャウン君を殺しはしないものの、相当な打撃を与える。
元御医はフィに問いただされて、洗いざらい告白して命乞いをする。ギジェの命で元尚膳が王に毒を持った後、裏切る前に殺してしまった事実。蘇朗草はもはや朝鮮では入手不可能となり、現在ギジェが持っているのが全てという。物的証拠を得るためにジウンはギジェの屋敷に忍び込み、フィはジウンの為にギジェを少しでも長く王宮に足止めする計画を立てる。ウンソは江華島にいるチェヒョン大君を保護する任を負う。
ギジェと大妃の前で双子の噂話が巷に広まっていることを話し始めるフィ。大妃は全てをギジェが明かしたと知り、青筋を立てる。王室の権威が、王位が、と連呼する大妃に対し、双子の隠匿の為に多くの命を奪った二人の罪を憂うフィ。しかし、双子の姉が生き返らない限り、そんな心配はないとあえてギジェを見つめる。ギジェはギジェでそんなことがあろうものなら、再び自分が血を見るのもいとわないと、にらみ合う二人。
ソクチョは勤務中にギジェからの伝言の小箱を受け取る。箱の中にあったのは血まみれの服の紐。それは夫人のもの。急いで家に戻ったソクチョの目に映るのは、荒らされた屋敷と倒れた使用人、そして、捕らわれた夫人の姿!夫人に刀を突きつけられてソクチョは手出しができない。その頃、家に帰ったジウンはただならぬ状況に、ゆっくりと歩みを進める。ちょうど夫人を捕えた賊の背後から、ソクチョの視線の先に現れて二人は連携して危機を脱する。
夫人を三開房に担ぎ込んで大事がないことを確認した後、ソクチョからの情報を元にギジェの屋敷に忍び込み、蘇朗草を探す。その頃、王宮から戻って来たギジェの前に自ら姿を現わしたソクチョは膝まづいて許しを請うふりをして、ジウンの時間稼ぎをする。ようやく蘇朗草を探し出したジウンは屋敷を出ようとして、私兵たちに見つかってしまう。
その頃、ソクチョにジウンが戻らなかったらフィに連絡をしろと頼まれたジルグムは、ジウンの危機を感じて、王宮の門番に必死で取りすがる。そんなジルグムの前にジウンとの共通の友、ク別監が声をかける。一方、便殿はにわかに騒がしくなり、女官の悲鳴を聞きつけて何事かと立ち上がったフィの前に、血まみれで飛び込んできたチャウン君。
ギジェとソクチョが話している途中で、ジウンをみつけた私兵たちが騒ぎ出す。ソクチョは素早く飛んで行き、ジウンを逃がそうとする矢先、飛んできた矢をその身に受ける。ジウンとソクチョはキム尚宮とホン尚膳を連れた、ウォンサン君と兵に取り囲まれてなすすべもない。そして、ソクチョの目の前でジウンを殺そうとした瞬間、飛び込んできた官軍たちが私兵たちを一掃、フィはギジェを謀反の罪で捕縛する。
ギジェは自分が秘密を漏らせばフおしまいだと言うが、罪人が何を言おうと誰も信じないと強気の姿勢を見せるフィ。果たして、フィはギジェを斬首刑に決定するとともに、ギジェと関連して罪を重ねた者たちも断罪されることに。そして、計略により無実の罪を着せられたイクソンとチェヒョン大君の名誉回復を宣言する。その後、やっと息を吹き返したソクチョはフィの前に潔く自らの罪を告白、フィはソクチョの罪を問う前に閭延の秘密基地を押さえるよう指示をする。が、ソクチョが向かった時にはすでに廃墟と化す。
王位をチェヒョン大君に譲るということに、大反対する大妃にフィは真実を明かす。大妃はあまりのことに我を失うほどの衝撃を受ける。一方、ギジェの後押しで中殿になったハギョンも罪を問われる。フィは自分の本当の姿を見せて今まで悲しませたことを詫び、ハギョンと父のことは自分が助けると約束する。
いよいよ、譲位の日を前にして、ギジェが牢から姿を消し、フィは途方に暮れる。一方、チャウン君は世子のまま亡くなった父の墓前に参って、ウォンサン君からの文を受け取る。その中の「夢を乗せて戻る」という一文に不吉なものを禁じえず…。
第19話感想
夢のような再会…。とうとうジウンはタミとフィが同一人物であることを知りました。これはもう愛しさひとしおですよ。たまりませんね。でも、二人のラブラインが増せば増すほど、状況は深刻化しているわけで…。
親は子に勝てないの代表格のようなソクチョ。結局、ジウンの為にギジェを裏切り、命を狙われる羽目に。でも、本当はソクチョだってわかっているはず。ギジェについて行けば、結局人殺しを重ねる人生であるってことが。
チャウン君もキム尚宮とホン尚膳も死ななくてよかったです! けど、やっとのことで捕まえたギジェは牢屋を脱出して、ウォンサン君と手を組んで、フィを追い落とす謀反計画を実行しようとしています。最終回はいったいどうなる?
第20話視聴率12.1%
hg@さらんさん |
第20話(最終回)あらすじ
明日にチェヒョン大君の即位式を控え、ギジェが消えた。チャウン君はウォンサン君の謀反の動きを察知、フィはチェヒョン大君を王宮外に退避させることに。ギジェとウォンサン君は軍を決起し、王宮を制圧するために進軍を始める。目指すは女性の身で王に即位したフィの首。 チェヒョン大君を守るため、フィは先頭に立ちギジェの注意を自分に引き付けようとする。
一方、チェヒョン大君とチャウン君の前に立ちはだかったウォンサン君は無情にもチェヒョン大君に剣を振りかざす。その時、大妃の放った一本の矢はウォンサン君を襲う。大妃は攻撃を続けようとするが、力及ばず取り押さえられる。結局、チェヒョン大君は切り殺され、すわチャウン君までもという瞬間、駆けつけたウンソの一撃でウォンサン君は瀕死の重症を負う。
激しい戦闘に必死に剣をふるうフィ。しかし、形勢は芳しくなく、いよいよ後がない状況に追い込まれたその時、ソクチョ率いる官軍が飛び込んで来る。おかげで一旦、便殿に退避できたが、そんなフィを待っていたのはチェヒョン大君の死。罪のない幼い弟を死なせてしまった深い深い悲しみと後悔に打ちひしがれる。
ソクチョは全身全霊をかけて戦うが、多勢に無勢。徐々に追い詰められる。高みの見物を決め込んでいたギジェにウォンサン君の負傷の知らせに場を離れていく。ソクチョはギジェだけは生かしてはおけぬとばかりに追いかけて剣を振りかざすが、激しく切り付けられもはや動くことさえできない。そして、トドメを刺したギジェ。ソクチョは駆けつけたジウンの胸の中で息を引き取る。
ウォンサン君は傷は深く命も危うい中で王位への執着を見せ、ギジェはこの状況を隠そうとする。一方、敵兵がすぐそこまで迫り、チャウン君らはフィに王宮を脱出させようとする。ジウンはソクチョの死によりこれ以上の戦いは不可能と報告。しかし、フィはこれだけ多くの犠牲を払い、これ以上さらに仲間を失いたくないと降伏を決意する。
ジウンと二人きりになったフィはきっと戻って来るから、その時は美しい「かんざし」を買ってほしい。そして、遺言のように自分の気持ちを打ち明ける。「あなたに出会ってから、今日までの間ずっと恋慕して来ました。ひとときたりとも忘れたことはありません。」ジウンはフィを固く抱きしめる。あなたと生きていたい。あなたに生きていてほしい…。
ギジェにウォンサン君への譲位の意思を伝えるフィ。ギジェはこうなった原因には自分と嬪宮にもあったとしながらも、結局は女性であるフィの生きる道はないと言っているようなものだった。フィは悔しさを押し殺し、自ら淹れたお茶を口元に運ぶ。そこに厳かに運ばれて来たのはフィが飲むべき毒の器。フィは最期に孫娘としてお茶を受けてほしいと言い、ギジェはフィ自ら茶を飲む姿を見届けてから、それを口にする。
キム尚宮はフィに蘇朗草を潜ませたお茶を会談の席に出していた。嬪宮亡きあと母のような存在だったキム尚宮に嘘はつきたくないと正直に頼まれて、キム尚宮は逆らうことができなかった。思い余って自殺を図るが、ホン尚膳たちにに助けられてしまう。フィと共に逝きたいと口走ったことで一同はフィの決意を知る。
フィの淹れたお茶を飲み干したギジェに「一緒にあの世に行こう」とにっこり笑うフィ。ギジェは青ざめて逆上し、フィの首を締め上げる。と、突然血を吐いたフィ、それに続いて血を吐いて倒れるギジェ。ギジェの兵を必死でかき分け、駆けつけたジウンは物言わぬフィを抱き抱え、絶叫する。
ーーー「王女さま、早く!」フィは婚礼の支度中、赤い丸を頬につけた鏡の中の自分の顔を嬉しげに眺める。キム尚宮に急かされて飛んでいった先には正装したジウンが待っている。手を握り合って笑い合って、幸せの絶頂に。なのに、なぜかジウンはフィの手を離し、その姿はだんだん薄れていく。なぜ?どうして? ーーー
便殿で横たえられたフィはゆっくりと目を開ける。寄り添っていたジウンはフィの目覚めに驚喜して、涙を流す。一方、ギジェはそのまま息耐え、その死によって事態は終焉を迎える。大妃はフィに死んだことにするから、王宮を出て暮らすよう促すが、罪は甘んじて受ける覚悟のフィ。例え、どこに逃げても秘密は漏れてしまうと身を持って知っているから。
チャウン君は王位を継ぎ、フィの罪が問われることに。性別を偽り、王位についたことは許しがたいが、それも、本人の意思では逆らい難い状況下であり、何よりも王位についてからは民のための善政を尽くしたことなどを理由にヨンスをはじめとした官僚たちは口々にフィの減刑を願い出る。結果、烹刑(ペンヒョン)に処せられ、公式には死んだ存在となり、タミの記録が書き換えられる。
三開房では今日もジルグムが調子の良い話で客を喜ばせる。そこに出てきた見目麗しい居候のウンソに女性たちの目は釘付け。ヨンジは特別な薬をウンソに飲ませ、ウンソもまんざらでない表情。王となったチャウン君はキム尚宮とホン尚膳を引き続き従え、時折フィやジウンのことを思い浮かべる。
フィは王宮を出て、ヨンソンとして本来の女性の姿に戻って、ジウンと暮らし始める。決して豊かではないけれど、互いに助け合いながら愛ある暮らしをしてみてフィは思う。王宮にいた時、あれほど恋焦がれた海の向こう。その話をすると決まってジウンはいつか一緒に行こうと答えてくれる。だけど、今は行ってみたいと思わない。だって、こうしている今が充分幸せだから。
第20話 (最終回)感想
女性がその身分を隠したまま王位を継いでしまうという、朝鮮では決してあり得ない展開でありながら、最後は本格的な時代劇だったなあと思いました。儒教の国、朝鮮では身分の違いや性別に厳密な差別がありました。それは女性の力が強くなった現代でも意識の下の下の方で、生きているように見えます。
ストーリーの中盤からはかなり熾烈な政権争いをテーマにし、良い意味で想像を裏切られっぱなしでした。チェヒョン大君が殺されてしまうなんて、想像もしていませんでした。ウォンサン君が亡くなったのかどうかは語られませんでしたが、おそらくは…。
フィが生き残った理由は何でしょうか?ギジェに飲ませたお茶よりもかなり早く出したために、毒性がそれほど高くなかったのかもしれないですね。それとも、ジウンが何か解毒剤をみつけていたとか?ここには少々無理もありましたが、フィとジウンの幸せそうな姿を見られたのは本当に良かったです。ご購読ありがとうございました。
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