2015年

懲毖録 (チンビロク) あらすじ 視聴率 キャスト 感想






懲毖録 (チンビロク) 징비록  全50話
2015年放送 朝鮮時代
平均視聴率 9.1% 最高視聴率11.1%

http://www.kbs.co.kr/drama/jing/
あらすじ  文禄・慶長の役(壬辰倭乱)の時に経験した教訓を書いた≪懲毖録≫を残したとされる朝鮮中期の官僚:リュ・ソンリョンが主人公の時代劇ドラマ。1592年から1598年にわたって、日本軍が朝鮮に侵攻する前兆から、朝鮮朝廷の行動と明国の動態、日本軍と朝鮮及び明国の交渉と裏取引等に関しても、文禄・慶長の役の一部始終を詳細に記したもので、著者の柳成龍は戦乱勃発当時に朝鮮朝廷の高官であった。日本の侵攻に備えて李舜臣を全羅左道水軍節度使に推薦したのも柳であったが、豊臣秀吉の朝鮮侵攻の意志を見抜けなかった金誠一を支持していたこともあり、その責任を問われて一時官職を罷免された。柳は白衣従軍として王の身辺を守り、それが認められて再び平安道偵察使、三道都体察使と重役を任された。このように文禄・慶長の役の際、朝鮮朝廷の側近にあった柳は、隠居して故郷に引き籠った際、『懲毖録』を著した。良く描かれる時代背景だが、朝鮮側の視点で、日本や豊臣秀吉がどのように見られていたのか?がわかる。いままでの豊臣秀吉役はそう有名どころの俳優は使っていないが、この作品ではキム・ギュチョルを配役している。
キャストキム・サンジュン (ソエ リュ・ソンニョン)役
キム・テウ 宣祖(ソンジョ)役
チョン・テウ イ・チョンリ役
イ・グヮンフン シン・ミョンチョル役
ハン・ジワン ハン・ソリ役
ハン・ガリム トンドン役イム・ドンジン オウム ユン・ドゥス役
ソン・ドンヒョク ソンガン チョン・チョル役
チェ・チョロ ペクサ イ・ファンボク役
パク・ジイル クボン ソン・イクピル役
キム・ヒョウォン ウゲ ソン・ホン役
キム・ジョンス ウソンダン ファン・ユンギル役
カン・インキ ジュンボン チョ・ホン役
イ・ジェヨン アゲ イ・サネ役
ナム・ソンジン ハヌム イ・ドッキョン役
パク・チョルホ ハクボン キム・ソンイル役
パク・チルヨン ナアム チョン・オンシン役
ホ・キホ ヨンブ チョン・オンジ役キム・ヘウン  仁嬪キム氏役
ノ・ヨンハク 光海君役
ファン・イニョン  懿仁王后 朴氏役
ユン・ホンビン 臨海君役キム・ギュチョル 豊臣 秀吉役
イ・グヮンキ 小西 行長役
イ・ジョンヨン 加藤 清正役
チョ・ジェワン 宗 義智役チェ・イルファ 宋応昌(ソン・ウンチャン)役
イ・ギヨル 沈惟敬(シム・ユギョン)役
チョン・フンチェ  李 如松(イ・ヨソン)役
スタッフ 監督・演出:チョン・ヒョンス、チョン・ジヨン脚本:キム・サンフィ

 

●コメントより感想募集中

水上さんより

主人公のリュ・ソンリョンはじめ主要な登場人物がみな壮年、恋愛要素ほぼなし、ストーリーは戦いと陰謀の繰り返し…。視聴前は「なんだか地味そうなドラマだなあ」と思っていたのですが、あにはからんや!息つく暇もない面白さでした。

派手な戦闘シーンこそないのですが、リュ・ソンリョンと政敵との丁々発止のやりとり、宣祖と光海君のスリリングな駆け引き、伝説の英雄イ・スンシンの見事な戦術、エキセントリックな秀吉の描き方などなど、個々の人間心理を深く細かく描写しており、まさに骨太な時代劇といった内容で登場人物の希望と絶望の織り成すストーリー展開に引きずり込まれ、あっという間に全50話を見終えてしまいました。

宣祖の言動にはイライラさせられ、「またそんなことを言って!」「誰のせいでこんなことに!」「いっそ黙ってて!」と画面に向かって憤りをつのらせつつも、「この人がいるから話が面白くなってるんだよなあ」と冷静に納得したりもしました。また、宣祖の立場のあやふやさがこのような人物にさせたのであろうと感じさせる描写もあり、単純に「愚かな王だ」で終わらせない面白さがありました。

日本側についても丁寧に描かれており、豊臣秀吉、小西行長、加藤清正らの人間関係や朝鮮出兵までの経緯、明との裏取引など興味深く見ることが出来ました。秀吉がかなり粗暴で低俗に描かれていたことや、女性の衣装がさすがにそれはどうなの?というレベルだったりと気になる部分もありましたが。

終盤は、秀吉の死から日本軍が撤退するまでがあっという間の展開で少々あっけない気分になりました。
それでもリュ・ソンリョンが「懲毖録<ジンビロク>」を執筆するに至った絶望の深さを容易に想像できる見事なストーリー展開でした。
戦争という国難だけでなく、嫉妬による軋轢や陰謀などとも苦闘しつつ「国」と「民」に忠誠をつくすリュ・ソンリョンという人物を深く掘り下げた重厚で見応えたっぷりな骨太時代劇です。


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